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新幹線がやってくる(2)新駅アクセス最善策って。

いま一番デリケートな話題に、まっさきに食いついてみたりします(苦笑)

切り込み隊長は、日本経済新聞でした。
「新函館駅から新幹線車両をスイッチバックさせて、函館駅への乗り入れを経済界が要望している。」

ふーん、経済界。。

うちじゃん。

誰が言ったかなどは全く不明ですが、たしかに待望論として根強いのは誰も疑わぬ事実。
僕自身も、費用面さえクリアできれば、そりゃ~実現させてほしいですもん。

ただ、世の中「そんなの現実的じゃなーい!」という人も多いようなので、やや解説。

函館駅から、新函館駅=現・渡島大野駅までは、距離にして約18キロで、非電化で単線(七飯~渡島大野)。いまの運航ダイヤでは、ディーゼルカーで25分~35分かかります。

18キロってーと、わかりやすいたとえならば、東京モノレールの浜松町から羽田空港まで。東海道本線なら東京から川崎まで、札幌だったら銭函まで。結構あるでしょ。

ちなみに、函館駅から函館空港まではたったの6キロ。

つまり、せっかく「時速300キロ運転!東京函館間3時間30分!」なんつって力を振り絞って時間を短縮しながら新函館へ新幹線がやってきても、そのさきの函館市街まで30分もかかってしまうのでは意味がないんですね。
よほどの利便性をアピールしなければ、新幹線も「乗るまで遠いから不便だな~。空港のほうが便利だもんな」ってことになりかねないんです。

で、その利便性に一番適うのが「乗り換え無しの新幹線車両乗り入れ」というわけなのです。これを(案1)とします。
ただし、その肝心な費用に関しては、100億やら1千億やら、まあいろんな説があるわあるわ。。。

当然、やるのであれば一番安上がりな方法を選ぶしかないわけで、自分勝手なイメージであれば、七飯町に作られるのが決まっている車両基地から大中山駅あたりで在来線につなげて、3線レールで地上を函館駅までひっぱってくる。陸橋の下やらなにやら構造上の限界をどうやってクリアしていくかで、費用が変わってくるのかなと。

(05/02/02加筆)
参考として調べたところ、既に開通している山形・秋田新幹線の事例や、現在検討されている山形新幹線酒田(鶴岡)延伸などの「新在直通形式」、つまり改軌や3線レール化にかかる経費は、これらの実績(予想)だと1kmあたり4~5億円。函館~七飯車両基地までは約15km程度と想定されますので、在来線である函館本線の路盤改良には70~80億という数字が導き出されます。

果たしてこれを、高いとみるか、安いと見るか。国や自治体の財政が逼迫するなかで、どうやってお金をあつめるのかが焦点でありましょう。
(加筆ここまで)

っと。別に自分は「新幹線乗り入れ」論に誘導するつもりはまだありません。
そのためのお金をどうするかが全く決まってないわけですから。

たとえばこれ以外にも、市街地アクセスについては、最近にわかにいろんな意見が出てきてます。

(案2)なにも高い金をかけて在来線を新幹線併用に改修させなくても、「フリーゲージトレイン(FGT)」で函館駅までひっぱってくればいい、という話。ちなみにFGTは正式にはGauge Change Train、GCTといいます。

→→→GCTは軌道幅を変更できる電車ですから、期待値は高いですね。九州新幹線長崎ルートでも採用に向けた実験を行うことが決まったとのことですし、積雪酷寒地でFGTが通用するのかどうか、JR北海道の技術力が試されるところ。

(05/02/02加筆)
九州や四国はこのGCTの導入にめちゃくちゃ積極的で、このためだけに中央陳情活動なんかもやっているらしく、その姿勢は見習うべきかもしれません。勉強会なども熱心で、四国松山では国土交通省鉄道局の技術開発担当の方をお招きしてフォーラムを開いたりしているようですが、こちらのサイトによれば、車両開発コスト以外に、新幹線から在来線への「渡り線」(業界では「すべり台」というらしい)の設置だけでゆうに100億は下らないんだそうで、なんだかため息が出てしまいます(それって案1の在来線改良より高いんじゃん!!)


(案3)市街地からモノレールやニュートラムを建設する。某アンケートで突然浮上した案。

→→→まあ、需要や費用対効果をまったく考えていないのではと思わされる選択肢でありますが、某アンケート結果でも突然浮上してみたり、一般市民的に見ると妙に期待値が高い選択肢であるので、無視するわけにもいきません。参考データといたしまして、一番新しいモノレールの沖縄都市モノレールのお話を記しておきますと、建設距離が約13kmで、建設費は1,128億円(うち国庫負担618億)。って、結構するもんですねぇ~。
(加筆ここまで)


(案4)市電をJRに乗り入れさせればいいという話。これで湯の川温泉直行便を実現させる。あるいは、LRT(新世代路面電車)として市内から新函館まで延長すればいいという話。

→→→これもお金がかかりそうですねぇ。JRに乗り入れるには軌道幅と架線電圧の問題が。乗り換えの手間もそのままです。


(05/02/02加筆)
(案5)デュアルモードビークル(DMV)による、道路・鉄道直通運転。

→→→これは先日の青年部の会合の際聞いたところでは、北大佐藤教授のところの学生が研究を行っているとのことで、函館の人口集積地区(五稜郭・美原等)からDMVを走らせ、五稜郭駅や桔梗駅あたりから在来線を走らせて新函館へ向かうというもの。課題は車両開発コストと、車両の大きさ、つまり現在のJR北海道のDMVはマイクロバスがベースになっていることもあって、乗車可能人数が少ないものだから、果たして大型路線バスサイズのDMVが実用化できるのかどうか、あるいは運行システムをどうするか、運行事業者はJRなのか民間バス事業者なのか、いろいろあり。
(加筆ここまで)


(案6)現実的には、在来線の改良と快速列車の運行でしょ。

→→→注文をつけるとすれば、アクセス列車の乗車時間は20分以内を目指してほしいし、七飯とか途中駅に全部止めるくらいの地元密着性があってもいいのかなと。それと、乗り換えの手間が最小限であること。つまりそれは、九州新幹線新八代駅のように「同一ホーム乗り換え」を実現させるのかどうかという点。それともうひとつ課題は「新幹線」「函館方向」「札幌方向」いずれの接続もスムーズにするためのダイヤ調整が難しいと言われていることでしょうね。
(しかも札幌方向は、峠越えの急な登りですからねぇ。むかし客車列車だった時代はスイッチバックしてたくらいですし)


(案7)道路が整備されてるし、ほとんどみんな車とかバスを使うんじゃないか、という話。

→→→地元民にはいいかもしれませんが、外から函館にやってきた方々には優しくない。シャトルバスを走らせようという話もあるんですが、先に開通した東北新幹線八戸駅では、鳴り物入りでスタートした駅と中心部を結ぶ「新幹線シャトルバス」が、利用客が定着せず、わずか1年半で廃止されたという事実もあるんです。


いやはや、素人のなかでもいろんな意見があるもんです。
函館駅~新函館駅の需要予測も大きな参考材料になるでしょうけど、現在年間約200万人が利用する函館空港にしても、アクセス方法がシャトルバス(20~30分間隔)・路線バス(30~1時間間隔)・タクシー・自家用車で事足りちゃうことを考えれば、あまり大風呂敷も敷けないなあと思われます。
まあ、そう遠くないうちに、それぞれの案についてどれが合理的で利便性が高いのか、ぼくらは仕事を通じて総意形成を図っていくことになるのでありましょう。


そこまでやってみたところで、何を待望しても最終的には、直接受益者のJRが決断することになるわけですから。そこはせめて、利用者の負担が一番軽い方法を選んでほしいなと切に願っております。

たぶん追記が出ますが、今日はここまで(^_^)

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