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新幹線がやってくる(3)期待はほどほど、信念はしっかり。

当blogに初めてトラックバックがつきまして、ほんのりうれしいわたくしです。
なので、そこにさらにトラックバックなど。

今日は「新函館駅」のお話。
新函館駅=現・渡島大野駅は、函館のとなりまち、大野町にあるのはご承知のとおり。

大野町のウェブサイトのなかには、新函館駅周辺整備計画のページがありまして、その中にはでかでかと駅周辺開発予想イメージパースがアップされています。

大野町の吉田町長さんはなかなかの方と評判で、道南の首長さんのなかでもいち早くwebを活用して町のことや自分のことを発信しておられることでも知られておりますが、そのなかの書き込みでも、「新幹線によってまちづくりの方向を見失ってはなりません。夢ばかり追わず、現実を見据えたい」「新函館駅は、大野町だけではなく道南全体が発展するための駅になっていただきたい。近隣町村とも話し合いながら、駅を育てていかなければならない」と、圏域全体の発展に配慮された発言をされております。

んでは。
新函館駅は育てていけるんでしょうか?

あのイメージパースでは、多くの人に誤解を与えかねないんですよね。いや現実に、トラバ先のblogのように、誤解を与えてしまっていたりもします。

じつは、郊外立地の新幹線駅の周辺が栄えるという事例は、ほとんどないんです。

【事例1】====================
東海道新幹線のなかにある「岐阜羽島」駅。住所は岐阜県羽島市、街の人口は6万8千人。人口41万人の県庁所在地岐阜市からは名古屋鉄道で16.3キロ、乗車約26分の位置になります。

で、その岐阜羽島の駅周辺の様子は、いくつかのサイトからも、見て取ることができます。

岐阜羽島駅は殺風景な場所にある。
たぶん新幹線開業時から変わってなさそう。このまま改装もなく放置されれば「国宝級」になれそうな勢いの岐阜羽島駅。
岐阜羽島駅は今では「田んぼの真ん中」ではなくなったが、周辺開発は遅れている。どこに理由があるのかわからないが、駅南の広大な地域に、繊維問屋街を造る計画や大規模なショッピングセンターを造る計画が何度か立てられたが、いずれも頓挫している。

東海道新幹線は昭和39年に開通し、高度経済成長時代を経て40年。それでもなお、このような状況です。
実は岐阜~名古屋間の距離が30キロあるにもかかわらず快速電車でわずか19分ということもあって、岐阜市の人たちはほとんどが名古屋から新幹線を利用するために、岐阜羽島駅の価値が低いというのも理由のひとつみたいなのですが、それにしても、ん~・・・どうでしょう?


【事例2】====================
岐阜羽島にかかわらず、駅前整備が思うように進んでいない駅ってのは、某掲示板でもやり玉に挙げられるほどたくさんあります。
極端な例では、開業して7年がたった長野行新幹線「安中榛名」駅。安中市は人口4万8千人の街ですが、安中榛名駅は全くの山の中に出来た駅で、もともとなーんにもなかったところにJR東日本などが宅地造成を進めているんですが、駅前はほんとにすごい景色(1) (2)が広がっています。団地分譲も進んでいるとは言えません。

この安中榛名の隣の駅は、群馬の交通要衝であり人口25万人を抱える高崎駅。そして、高崎~安中榛名の距離は18キロ。

んっ!?
それって函館~新函館間とおんなじですね。
では、新函館は安中榛名とおんなじ道を歩くことになるのでしょうか?


いかがでしょうか皆様そして吉田町長。夢あふれる新駅周辺開発予想図はビジョンとしては大切なのですが、過度な期待は持てないものだと思います。

新幹線着工が決まってからは、「新函館駅が出来るおかげで人口や商業集積が移動して、函館の既存繁華街はますます廃れていく」という悲観論をちょくちょく耳にするようになったのですが、今回紹介した先例に見るように、新駅周辺で宅地開発すら思うように進まない現状のなかで、大型商業施設も進出だなんてありえないと思いませんか。

新函館駅は、交通拠点としてのターミナル機能の整備は必須でありましょう。しかし、それ以外の公共事業は、現実を見据えて最小限にとどめて体力をつけておくほうが、いいのではないかと思われます。

そしてもし、宅地開発で人を住まわせるということを考えるのであれば、「函館市民」を移住させるという考え方ではなく、「首都圏などから、定年退職者等の移住希望者をつれてきて定住を促進できるような地域開発」を目指してほしいと思います。

なにより、基本かつ大事なことは「新幹線ありきではない、揺るぎないまちづくりへの信念」ではないかな、と。

そんな私見を述べたところで、大野町は上磯町と合併して北斗市になって、こういう指摘をものともせずに合併特例債を使って新函館駅周辺開発に着手しちゃったりして、あげくに「駅名を【函館北斗】にしろ!」だなんて騒ぎはじめたりしないだろうか・・・と、ちょっぴり不安にもなってしまうのでありました。

おそらくこれも追記が出ますが、今日はこのへんで。

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コメント

誤解をしているわけではないんです。あのパースもはじめて見た。ただ、新幹線駅ができることで「また分散の要因が増えたなぁ、これからこの街はどうなっちゃうんだろう」と思ってね。今後どこか1箇所に街が集積することはない気がする。で、今度は現函館駅と新北斗市の間の地区の空洞化がどんどん進むのかな、と。数十年後には産業道路の外側とベイエリアだけの街になるのがちと心配。

投稿: かもめ | 2005.01.14 02:03

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