新幹線の質問にお答え

担当している新幹線推進組織の仕事で、先月からずいぶんあちこちの企業・団体を歩いて回りました。
「新幹線が函館に来た時の経済効果を最大限にするために、地域基盤をしっかり築いておく知恵を貸して下さい」というお願いです。

と、あちこち歩いてますと、やはりまだまだ認識度が低いといいますか、いろんな質問を受けます。加えて、最近いくつかの検索RSSにヒットした地元の方のブログを拝見してますと、まあなんだかネガティブな見解が多い。

ここはひとつ、建設が着々と進んでいる現実を受け止めて、前向きな発想で施策を構築していくことが必要では、と強く呼びかけたいわけです。

ということで、ここのところで受けた質問やカキコミについての僕からのメッセージでございます。

Q1)新幹線が来ると少しは景気よくなるんでしょ?(業界A団体氏)
A1)函館開業は「打ち出の小槌」でも「活性化の起爆剤」でもなく、ただの「移動手段」という程度で考えたほうが良いです。でも「移動手段」ながら、人の「時間や距離についての感覚」を激変させる凄いインパクトを持ってます。

Q2)出張とかは便利になるねぇ。札幌まで延びたら40分でしょ?(業界B団体氏)
A2)時間感覚や距離感覚に与えるインパクトは、マイナス要素として企業や購買力を流出させる要素も持ち備えてます。だからこそ「人の感覚を変えうる」という点で効果的な施策を打てば、マイナス要素を抑え、プラスをもたらすことが出来るんです。

Q3)今はいいけど、札幌まで延びたら函館も危ないでしょ?(業界C団体氏、ほかブログ氏)
A3)どう危ないかは僕もわかりません(^_^;けど、立場は対等です。つまり人口の多い札幌の人が函館に来やすくなる経済効果と、人口の少ない函館の人が札幌に出かける経済損失は同等です。あとはリピート率、来街機会をを増やす施策を考えればいいわけで、今から知恵を絞れば間に合います。

Q4)実際のところ新幹線開業のメリットってどんなもんだろうねぇ(D企業氏)
A4)例えば航空などとの間で料金競争が作用し、市民はその恩恵に預かることができますよ。新幹線沿線地域では航空便は搭乗前日まで格安料金で予約が効きますし、夜間駐機が実現したりして便利になります。逆に盆や正月など航空料金が高止まりの時は新幹線の安さを享受できるようになります。いまの北海道では絶対起こらないことが、新幹線によって実現されるようになります。

Q5)並行在来線が切り捨てられるでしょ?自治体だって負の遺産では。(ブログ多数)
A5)民間人の立場ではどーすることも出来ません。確実に言えるのは、海峡線は貨物輸送を担うので鉄路だけは残る可能性が高いということ(遠い将来にはトレインオントレインが実用化されて廃線されるかもしれませんが)

Q6)新幹線なんてすぐ赤字になって大変なことになるさ(ブログ多数)
A6)赤字の心配は無用です。民間企業であるJR北海道が赤字必至の事業にGOサインを出すわけありません。建設コストは行政負担ですから走れば黒字が出ます。その黒字によってJR北海道の経営基盤が強化されて青函トンネルの維持管理コストが捻出出来るようになるので、長期的にはローカル線経営や貨物輸送にも貢献することになります。

Q7)莫大な建設費の地元負担、夕張みたいになっちゃうんじゃない?(業界団体E氏)
A7)地元自治体負担もありますが、それにも交付税措置がありますので、そんなに心配されなくてもいいんではないでしょうか。

Q8)新函館駅周辺の開発が進んで、函館市街地は絶対寂れちゃうよね(F企業氏、ブログ多数)
A8)火のないところに煙はたたないですね。いくら計画整備と言っても、生活基盤のない処(市街地から遠く離れた畑の真ん中)に家は建ち並びません。人が暮らさない処に商業施設は出来ません。日本全国、新幹線の駅が郊外に突然出来た地域で、商業的にも住居的にも繁栄している事例というのは、例外を1個所(佐久平)除いて、他には無いんです。

Q9)新函館駅まで遠いし、市民なら誰も新幹線なんて使わないでしょ(ブログ氏)
A9)これまでの新幹線データでみると、所用3時間半までの時間距離であれば航空機とのシェアが5:5であることが立証されていますので、誰も使わないってことはありません。

Q10)沿線だから許すとしても、そもそも新幹線建設って国策としてどうかと思うよ(仕事仲間氏)
A10)着工して3年たった今言う言葉じゃないですね(^_^;

・・こんな調子です(^_^;
続きが出てきたら追記することにいたしましょう。

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喋りっぱなし青森出張

9月15日、日帰りで青森へ。
青森側での新幹線開業へ向けた取り組みの状況と、青函での合同会議開催へ向けた打合せをしてきました。

行きのJRで上司と打合せの段取りをしつつ、職場の将来展望について議論。
このところ、いろんな意味で人材不足です。組織が掲げた目標に、対案もなく文句ばかり言うひねくれた人達が多いし、抜本的に仕事への姿勢を正していく必要が出てるなぁ。。と思わされる光景が多々あります。
自分では、機構のスリム化、全ての業務のメニュー化、個別面談で希望業務と職責を選択させ、それに応じて給料を配分、上長は目標管理をしっかり行い、業務上の意思疎通の機会を多く持たせる、など、どこの会社でも当たり前にやってるようなことをもう一度実践することを提案してみましたが、はてさて現体制では厳しいだろうなぁというのが実感。

青森では2時間ほど本題の協議をしまして、実りある内容でありました。青森側はもう4年後に迫った新幹線開業へ向けて、とりまとめたアクションプランに基づき着々と計画を実践しているとのことで、今後も青函地区の連携を強化して、青森開業時の観光入り込み促進へと繋げていくべく継続して交流を行っていくこととなりました。

協議終了後、一足早く帰る上司と別行動で、建設進む新幹線の新青森駅予定地へ一人で出かけます。
F1000050
(写真はホームから駅北側を望んでます)
青森駅から約4分、新青森駅はあっという間に到着です。ここは単線の無人駅、付近にはうっそうとした茂みもあって、田園地帯の面影を残す地域でありますが、新幹線駅建設の槌音はしっかりと響いておりました。

視察後は仕事仲間のすえ氏と合流して今宵の呑み会会場である民謡酒場「いぶし銀」へ。
更に仕事終わりで合流したなべ氏と3人で酒を酌み交わします。そしてなんと言っても本場津軽の三味線・民謡・手踊りがたまらない。F1000055
津軽には北海道には無いホンモノがたくさんあるわけで、すっかり感動しつつ、名残惜しみながら彼らと別れ帰途につきます。
帰りに乗車した急行はまなすは3連休を控えて超満員。たまたま別の会議で青森に来ていた女性経済人と隣り合わせ、函館の将来についての話題で盛り上がりながら、帰路も2時間半あっという間に過ぎていったのでした。

しゃべり続けた余波なのか疲れがピークだったのか、翌日からは風邪でも引いたかのように昼夜眠りこけ続け、3連休は終わってしまったのでした。。。ううう。

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知られていない活動

8月下旬、5回シリーズで北海道新聞が「新幹線のマチを行く」っていう企画記事を連載しました。ただし道南版。

記事では、駅周辺開発に成功した佐久平駅周辺の発展と衰退の模様や、自分もblogで紹介した安中榛名駅周辺開発の惨状っぷりも紹介されてます。

このところ、北海道新幹線に絡んだ具体的な動きがかたちになって見え始めてきました。
渡島支庁(北海道)や、函館市のなかにも、新幹線を中心とした高速交通体系の整備について協議を行う庁内組織が立ち上がった(立ち上がる予定)りして、じわじわと動き始めた感のある北海道新幹線。現地測量の着手やら、施工業者も決まり始めるなど、つち音がすこしづつ大きくなってきています。

そういう中にあって、うちの職場が事務局で、道南地域の経済団体・同業団体等で組織する「道南高速交通ネットワーク推進連絡協議会」も、25日に今年度の総会を開き、日本政策投資銀行の藻谷浩介氏の基調講演に続き、先進地視察など今後の事業計画なんかを決めた(はず)なんですが、その後新聞には載らず。

担当者には、新幹線にまつわる動きが注目されつつある今だから、ぜひ報道にも趣旨と事業活動をアピールしていったほうが良いと伝えてあったんですが、結局外の人達の目に触れることなく終わってしまいました。

北海道新幹線の開業に向けて民間の盛り上がりこそ必要、と多くの人達に言われつつある時期に、民間の人達が活動していることが世間に知られていないというのは、寂しいことです。

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新聞報道より。

函館学を謳っておきながらこのところ愚痴傾向だった当blogをやや軌道修正。
北海道新幹線を巡る動きを、起工式から本日(6/14)までの新聞報道からトピックスのみ引用であります。
インターネット時代ではありますが、情報源はあくまで新聞キリヌキであります(^_^;
リンクを発見した場合は付記しときます。

5月22日北海道新聞
「北側国土交通大臣、新幹線新函館駅から国道5号函館新道を経て函館空港へ繋がる地域高規格道路『函館新外環状道路』を北海道新幹線開業までに完成させる考えを表明」。
→→新外環状道路の概要は市websiteへ。

5月23日北海道新聞
「湯の川温泉活性化推進懇談会、新幹線開業にらみ活性化計画を再策定する作業を開始」

5月24日函館新聞
「大沼観光協会、総会にて新函館駅北口整備促進を求める事業計画を承認」

5月24日北海道新聞
「新幹線建設工事、青函トンネル内の工事時間確保が課題、ダイヤ繰りの影響で貨物輸送に障害の可能性も」

5月25日北海道新聞
「函館新外環状線建設促進期成会、総会にて他の高規格道路網と併せて整備調整を行う検討委員会へ発展改組し北海道・道開発局を加える方針を示す」

5月26日北海道新聞
「七飯町、新幹線開業にらみ峠下地区の国道5号沿いに町内初の流通団地を整備する方針を固める」

5月28日函館新聞
「新幹線沿線6商工会、工事受注などを目的とする利活用推進協議会の設立を決める。既に活動している新幹線建設関連函館地区協議会とは別に活動を展開する」

6月1日北海道新聞
「大野町、新駅周辺整備に関する住民説明会を初開催、土地区画整理事業第1期は11ヘクタール」

6月1日北海道新聞
「渡島支庁、新幹線工事促進のため庁内連絡調整機関を設置」

6月2日北海道新聞
「江差建設協会、総会にて停滞傾向だった青函トンネルのカートレイン運行構想を新幹線起工契機に再び推進テーマに」
→→参考資料は東奥日報より。

6月3日北海道新聞
「東芝エレベータ、自社広報誌で函館市電延長・LRT化による函館市街地~新函館駅アクセス交通整備を提言」

6月10日北海道新聞
「鉄道運輸機構、渡島支庁で開催された庁内会議で、新函館駅での在来線乗り継ぎを同一ホームで行う『新八代方式』を計画していることを明らかに」


このあとも、いろんなところで新幹線にまつわるいろんな動きが起きていくことでしょう。可能な限りここにストックしていきたいと思います。

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本日着工!

北海道新幹線の着工式が行われました。

この日に向けて、いくつか地域の盛り上がりを演出する事業が行われておりました。
5月16日には、北海道新聞主催の新幹線フォーラム。北大佐藤教授を基調講演者に、JR坂本会長、高橋知事、高野会頭、鉄道アナリスト川島氏という顔ぶれ。
5月21日には、大野町主催のフォーラム。新幹線PT小里会長に、国交省鉄道局の担当課長が講演。
さらには、国土交通大臣が函館空港へのアクセス道路となる新外環状道路の完成まで表明してくれました。

さぁ~。
これから開通まで、どんなことが起きてくるでしょう。
んで、僕らはどんなことをしていくことができるでしょう。
自分の関われる範囲で、綴って行ければと思います。

わくわくを抱きつつ。
深夜なので寝ます。

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新幹線がやってくる(6)地域をダメにする自治体のカベ

いつまでこんなことやってんだか。

新函館駅周辺開発に関して、大野町役場が函館市内の事業者を6割ふくむ150社に、新駅周辺への進出意向アンケートを行ったという記事が、朝日新聞道南版(ネットでも見られます)に掲載されました。

函館市の助役は「事前に連絡があってもよかったのでは」として、大野町が函館市に断り無く市内の事業者へアンケートを行った事は道義的に配慮が欠けているとコメントしていて、大野町もそれを認める発言をしているようで。

いかにも、大野町がやったのは時期的には完全な勇み足。んでも、べつに垣根を越えて調査をしたことに、配慮がなかったかどうかと言えば、「なんでそこまで函館に気を遣わなきゃならないの?」という隣町の声もあるのではと思います。だって、新駅の場所は大野町。駅や周辺開発のカネを負担するのも大野町。自分達がカネを払って街をつくるのに何が悪い、なぜ(函館に)口出しされるんだ、という事も言えるでしょうし。

そんなときにちょうど、お向かい青森の東奥日報には全く対極的な記事が。「新幹線新青森駅の周辺には、中心商店街と競合しない程度の商業・業務・公共公益サービスゾーンを整備」と書いてあります。

つまり、新函館駅と函館駅は商業者の争奪合戦、新青森駅と青森駅は競合させずに役割分担。
なんなんですかねぇ、この違い!

要はこれは、既存市街地と新駅周辺開発のあり方について、一体的な整備計画を立てられるかどうかの差です。

新青森駅と青森駅は、ひとつの自治体の中にあるから、はっきりとそれぞれの役割分担をしている。
新函館駅と函館駅は、自治体が違ってカネの出所も違うってことで、お互いやりたい放題言いたい放題。連携もなにもあったもんじゃありません。

まあ、こんなことでゴタゴタ始まるのは今に始まった事じゃないし、昔も今も結局のところ「自治体のカベ」が、こうした総合的なまちづくりを阻害していると、はっきり断言できます。でももう、そんな争い無意味じゃないの?いつの時代までそんなことやるつもりなの?というのが今日の本題。

自治体の名前は違えど、函館圏1市3町は運命共同体なわけです。どこかだけがオイシイ思いを出来るなんてありえない。仕事も学校も住まいも買い物も病院も、それぞれ役割分担してきたんです。まわりから見れば函館だけがオイシイ思いをしているように見えるのかもしれないけど、規模が何倍も違うわけですから仕方ないし、そのベッドタウン・居住地として3町も発展してきたわけですからおあいこです。だからこそ逆に、函館の衰退は3町の衰退にもなるんです。

いろんな意味でこれからどんどん厳しい時代になってくるというときに、地元の小さなパイを取り合っても、なんにもならない。前にも書いたとおり、大野町が企業進出などを働きかけるとするならば、対象は圏外の事業者であるべきです。それといい加減、自治体間の見えないカベは僕らの時代にはまったく不要。

そろそろ、ちゃんと話をしないと。
くだらないことやってたら、あっというまに圏域ぜーんぶ沈下しますって。

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新幹線がやってくる(5)北海道新聞に喝!

ホント、マスコミって影響力強いんだから、世論誘導するのはやめてぇぇぇ~。

2月15日北海道新聞朝刊道南版「道新幹線アクセス フル規格なら1000億円 現函館駅乗り入れ」

ネットにまで出ちゃってますから、影響力大きそうだなぁ。。
もう、完全に函館側の出鼻くじこうとしてます、これ。記事中にも「(新幹線の乗り入れは)事実上困難な情勢」とまである。まったく協議の余地すらないという印象。

まあ、そりゃそうですよ、フル規格で新函館~函館間1千億ってのは、もともと噂でも言われていた数字だし、そんなことできっこ無いのも承知の上。

かといって、あわせてミニ新幹線方式まで一緒に否定してかかるのは、いかがなものかと思うんですね。
新幹線がやってくる(2)に書きましたが、過去の山形・秋田新幹線の3線化の建設費実績では、1キロあたり4~5億という数字が出ているわけです。

(再度詳細掲載)
■山形(92年)・秋田(97年)新幹線3線化工事など実績

福島~山形  87.1km 建設費320億円 キロ3.7億円
山形~新庄  61.5km 建設費280億円 キロ4.6億円
盛岡~秋田 127.3km 建設費660億円 キロ5.2億円

山形新幹線延伸 同予測
新庄~酒田 60km 地上設備費325億円 キロ5.4億円
余目~鶴岡 15km 地上設備費65億円 キロ4.3億円
(資料出所:JR連合・荘内日報webサイト・新幹線がやってくる(2)リンク参照)

ということで僕の記載した選択肢の中では、七飯車両基地~函館間15キロ想定で70億~80億円とさせていただいております。北海道新聞記事中にある3線化工事費用の150億~250億とは、大きくかけ離れてます。

自分は建築工学の専門家ではないだけに建設費の予測方法なんて知りませんから、専門家の見解にはなるべく耳を貸したい思いもあるわけですが、道新が書く建設費には算定根拠までは触れられていないし、専門家が揃った研究会が出した試算という割には過去の実績と倍以上も違う数字が出ているわけで、いささか懐疑的に感じざるをえないのであります。
それにそもそも、札幌主体の研究会に費用予測などさせたとすれば、函館への重点投資に否定的な論調になるのは仕方ないんですよねぇ(北海道新幹線は札幌延伸が最重点課題ですから)

繰り返しますが、自分がしたいのは新在直通への世論誘導ではなく、過去の実績に基づく事実を知って欲しいという、それだけです。
という一市民の純粋な気持ちも、妙に世論を誘導しようとするマスコミの前には、まったく太刀打ちできないのでありました(ちまちまとblogでボヤくだけさ。。。。)

・・・まあこれで、函館市民がアクセス問題についての議論を行うモチベーションは、確実に落ちてしまったことでしょう。残念なことです。

も~ホント、勘弁してくださいよ道新某氏さん~。
あなた方は記事の執筆にあたってアクセス問題に内在する歴史背景・現状課題などなど、どこまで深く掘り下げたというのですか??ぷんぷん。

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新幹線がやってくる(4)過去は変えられない

1月28日の青年部の会議は、同日昼に開催された別の会議のためにやってきた北大大学院工学研究科、佐藤教授を交えての意見交換会でありました。

佐藤教授といえば、青年部でも勉強会やフォーラムの講師にお招きしているおなじみの存在。北海道新幹線新函館着工が決定した後にお会いするのは初めてなので、みんなであらためて「着工決定おめでとう!」で乾杯。

その後は先生の近況を聞かせて頂きつつ、みんなで意見交換。
会議には新幹線がやってくる(2)で書いた選択肢をベースにして資料を添付しておいたので、話が多方面へと広がります。まあ、何に一本化するでもない会合ですから、みんな思っていることを意見しあって終了。

実感としてはふたつ。
ひとつは、世代によって、現函館駅乗り入れに関するとらえ方が微妙に違うのだなぁという点。

過去の経過をまざまざと見つめてきた60~70代の人たちは、とことん現函館駅への新幹線車両乗り入れにコダワリを持っている傾向が強いようです。
少し下の50代は、10年ちょっと前にゴタゴタもめたイヤな思いを目の当たりにしているようで、新函館を前提として比較的妥協要素が強いような印象。
40代から下になると、新函館は前提ながらも、札幌まで延長されるなんて遠い未来の話なのだから逆に現函館駅アクセスを特に強化すべきという傾向。


それともうひとつの実感は、ここに至るまでの過去を置き去りにした意見も散見されるなぁという点。

北海道新幹線はここまで幾多の紆余曲折を経てきたわけで、更に現函館駅乗り入れ問題というのはもっと大変な歴史を持っているわけです。

北海道新幹線着工の声がさっぱり聞こえてこない90年代前半、函館市では市議会やうちが声高に「現駅乗り入れ」を掲げ、うちは期成会を通じての活動、市議会は現駅誘致を全会決議したということがありました。

当時といえば、北海道新幹線は出来たとしても「ミニ新幹線」だと言われていた時代。したらば現駅乗り入れも可能ではないかという主張は確かに一理ありました。でも残念ながら、市政と道政は正直しっくりいっているとは言い難かった。

更には、道央圏の有力政治家が札幌までの着工に強いコダワリを持っていたりもしましたし、地元での議論の過程では渡島大野への配慮が欠けたのか、反感を持たれてしまった面もあった様子。

結局、駅の位置が決まらなければ環境アセスメントも着工認可も出来ないということから、市と道でトップ会談を行って、渡島大野で最終決着を見たというわけです。


ということもあって「新函館=渡島大野」は絶対のものという前提があります。
北海道新幹線は札幌まで、いつかきっとのびる、という前提も忘れてはならないということです。

つまりは、こういう前提を再確認した上で、現駅アクセスを講じる必要があるとゆーことです。

でもまあ、佐藤教授の言葉を借りてひとこと、「あのころ、ミニ新幹線ですら着工が危うかった北海道新幹線が、フル規格で新函館までやってくる。これは奇跡に等しいことなのだ。だから、みんなまずは大いに喜びましょう!」

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新幹線がやってくる(3)期待はほどほど、信念はしっかり。

当blogに初めてトラックバックがつきまして、ほんのりうれしいわたくしです。
なので、そこにさらにトラックバックなど。

今日は「新函館駅」のお話。
新函館駅=現・渡島大野駅は、函館のとなりまち、大野町にあるのはご承知のとおり。

大野町のウェブサイトのなかには、新函館駅周辺整備計画のページがありまして、その中にはでかでかと駅周辺開発予想イメージパースがアップされています。

大野町の吉田町長さんはなかなかの方と評判で、道南の首長さんのなかでもいち早くwebを活用して町のことや自分のことを発信しておられることでも知られておりますが、そのなかの書き込みでも、「新幹線によってまちづくりの方向を見失ってはなりません。夢ばかり追わず、現実を見据えたい」「新函館駅は、大野町だけではなく道南全体が発展するための駅になっていただきたい。近隣町村とも話し合いながら、駅を育てていかなければならない」と、圏域全体の発展に配慮された発言をされております。

んでは。
新函館駅は育てていけるんでしょうか?

あのイメージパースでは、多くの人に誤解を与えかねないんですよね。いや現実に、トラバ先のblogのように、誤解を与えてしまっていたりもします。

じつは、郊外立地の新幹線駅の周辺が栄えるという事例は、ほとんどないんです。

【事例1】====================
東海道新幹線のなかにある「岐阜羽島」駅。住所は岐阜県羽島市、街の人口は6万8千人。人口41万人の県庁所在地岐阜市からは名古屋鉄道で16.3キロ、乗車約26分の位置になります。

で、その岐阜羽島の駅周辺の様子は、いくつかのサイトからも、見て取ることができます。

岐阜羽島駅は殺風景な場所にある。
たぶん新幹線開業時から変わってなさそう。このまま改装もなく放置されれば「国宝級」になれそうな勢いの岐阜羽島駅。
岐阜羽島駅は今では「田んぼの真ん中」ではなくなったが、周辺開発は遅れている。どこに理由があるのかわからないが、駅南の広大な地域に、繊維問屋街を造る計画や大規模なショッピングセンターを造る計画が何度か立てられたが、いずれも頓挫している。

東海道新幹線は昭和39年に開通し、高度経済成長時代を経て40年。それでもなお、このような状況です。
実は岐阜~名古屋間の距離が30キロあるにもかかわらず快速電車でわずか19分ということもあって、岐阜市の人たちはほとんどが名古屋から新幹線を利用するために、岐阜羽島駅の価値が低いというのも理由のひとつみたいなのですが、それにしても、ん~・・・どうでしょう?


【事例2】====================
岐阜羽島にかかわらず、駅前整備が思うように進んでいない駅ってのは、某掲示板でもやり玉に挙げられるほどたくさんあります。
極端な例では、開業して7年がたった長野行新幹線「安中榛名」駅。安中市は人口4万8千人の街ですが、安中榛名駅は全くの山の中に出来た駅で、もともとなーんにもなかったところにJR東日本などが宅地造成を進めているんですが、駅前はほんとにすごい景色(1) (2)が広がっています。団地分譲も進んでいるとは言えません。

この安中榛名の隣の駅は、群馬の交通要衝であり人口25万人を抱える高崎駅。そして、高崎~安中榛名の距離は18キロ。

んっ!?
それって函館~新函館間とおんなじですね。
では、新函館は安中榛名とおんなじ道を歩くことになるのでしょうか?


いかがでしょうか皆様そして吉田町長。夢あふれる新駅周辺開発予想図はビジョンとしては大切なのですが、過度な期待は持てないものだと思います。

新幹線着工が決まってからは、「新函館駅が出来るおかげで人口や商業集積が移動して、函館の既存繁華街はますます廃れていく」という悲観論をちょくちょく耳にするようになったのですが、今回紹介した先例に見るように、新駅周辺で宅地開発すら思うように進まない現状のなかで、大型商業施設も進出だなんてありえないと思いませんか。

新函館駅は、交通拠点としてのターミナル機能の整備は必須でありましょう。しかし、それ以外の公共事業は、現実を見据えて最小限にとどめて体力をつけておくほうが、いいのではないかと思われます。

そしてもし、宅地開発で人を住まわせるということを考えるのであれば、「函館市民」を移住させるという考え方ではなく、「首都圏などから、定年退職者等の移住希望者をつれてきて定住を促進できるような地域開発」を目指してほしいと思います。

なにより、基本かつ大事なことは「新幹線ありきではない、揺るぎないまちづくりへの信念」ではないかな、と。

そんな私見を述べたところで、大野町は上磯町と合併して北斗市になって、こういう指摘をものともせずに合併特例債を使って新函館駅周辺開発に着手しちゃったりして、あげくに「駅名を【函館北斗】にしろ!」だなんて騒ぎはじめたりしないだろうか・・・と、ちょっぴり不安にもなってしまうのでありました。

おそらくこれも追記が出ますが、今日はこのへんで。

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新幹線がやってくる(2)新駅アクセス最善策って。

いま一番デリケートな話題に、まっさきに食いついてみたりします(苦笑)

切り込み隊長は、日本経済新聞でした。
「新函館駅から新幹線車両をスイッチバックさせて、函館駅への乗り入れを経済界が要望している。」

ふーん、経済界。。

うちじゃん。

誰が言ったかなどは全く不明ですが、たしかに待望論として根強いのは誰も疑わぬ事実。
僕自身も、費用面さえクリアできれば、そりゃ~実現させてほしいですもん。

ただ、世の中「そんなの現実的じゃなーい!」という人も多いようなので、やや解説。

函館駅から、新函館駅=現・渡島大野駅までは、距離にして約18キロで、非電化で単線(七飯~渡島大野)。いまの運航ダイヤでは、ディーゼルカーで25分~35分かかります。

18キロってーと、わかりやすいたとえならば、東京モノレールの浜松町から羽田空港まで。東海道本線なら東京から川崎まで、札幌だったら銭函まで。結構あるでしょ。

ちなみに、函館駅から函館空港まではたったの6キロ。

つまり、せっかく「時速300キロ運転!東京函館間3時間30分!」なんつって力を振り絞って時間を短縮しながら新函館へ新幹線がやってきても、そのさきの函館市街まで30分もかかってしまうのでは意味がないんですね。
よほどの利便性をアピールしなければ、新幹線も「乗るまで遠いから不便だな~。空港のほうが便利だもんな」ってことになりかねないんです。

で、その利便性に一番適うのが「乗り換え無しの新幹線車両乗り入れ」というわけなのです。これを(案1)とします。
ただし、その肝心な費用に関しては、100億やら1千億やら、まあいろんな説があるわあるわ。。。

当然、やるのであれば一番安上がりな方法を選ぶしかないわけで、自分勝手なイメージであれば、七飯町に作られるのが決まっている車両基地から大中山駅あたりで在来線につなげて、3線レールで地上を函館駅までひっぱってくる。陸橋の下やらなにやら構造上の限界をどうやってクリアしていくかで、費用が変わってくるのかなと。

(05/02/02加筆)
参考として調べたところ、既に開通している山形・秋田新幹線の事例や、現在検討されている山形新幹線酒田(鶴岡)延伸などの「新在直通形式」、つまり改軌や3線レール化にかかる経費は、これらの実績(予想)だと1kmあたり4~5億円。函館~七飯車両基地までは約15km程度と想定されますので、在来線である函館本線の路盤改良には70~80億という数字が導き出されます。

果たしてこれを、高いとみるか、安いと見るか。国や自治体の財政が逼迫するなかで、どうやってお金をあつめるのかが焦点でありましょう。
(加筆ここまで)

っと。別に自分は「新幹線乗り入れ」論に誘導するつもりはまだありません。
そのためのお金をどうするかが全く決まってないわけですから。

たとえばこれ以外にも、市街地アクセスについては、最近にわかにいろんな意見が出てきてます。

(案2)なにも高い金をかけて在来線を新幹線併用に改修させなくても、「フリーゲージトレイン(FGT)」で函館駅までひっぱってくればいい、という話。ちなみにFGTは正式にはGauge Change Train、GCTといいます。

→→→GCTは軌道幅を変更できる電車ですから、期待値は高いですね。九州新幹線長崎ルートでも採用に向けた実験を行うことが決まったとのことですし、積雪酷寒地でFGTが通用するのかどうか、JR北海道の技術力が試されるところ。

(05/02/02加筆)
九州や四国はこのGCTの導入にめちゃくちゃ積極的で、このためだけに中央陳情活動なんかもやっているらしく、その姿勢は見習うべきかもしれません。勉強会なども熱心で、四国松山では国土交通省鉄道局の技術開発担当の方をお招きしてフォーラムを開いたりしているようですが、こちらのサイトによれば、車両開発コスト以外に、新幹線から在来線への「渡り線」(業界では「すべり台」というらしい)の設置だけでゆうに100億は下らないんだそうで、なんだかため息が出てしまいます(それって案1の在来線改良より高いんじゃん!!)


(案3)市街地からモノレールやニュートラムを建設する。某アンケートで突然浮上した案。

→→→まあ、需要や費用対効果をまったく考えていないのではと思わされる選択肢でありますが、某アンケート結果でも突然浮上してみたり、一般市民的に見ると妙に期待値が高い選択肢であるので、無視するわけにもいきません。参考データといたしまして、一番新しいモノレールの沖縄都市モノレールのお話を記しておきますと、建設距離が約13kmで、建設費は1,128億円(うち国庫負担618億)。って、結構するもんですねぇ~。
(加筆ここまで)


(案4)市電をJRに乗り入れさせればいいという話。これで湯の川温泉直行便を実現させる。あるいは、LRT(新世代路面電車)として市内から新函館まで延長すればいいという話。

→→→これもお金がかかりそうですねぇ。JRに乗り入れるには軌道幅と架線電圧の問題が。乗り換えの手間もそのままです。


(05/02/02加筆)
(案5)デュアルモードビークル(DMV)による、道路・鉄道直通運転。

→→→これは先日の青年部の会合の際聞いたところでは、北大佐藤教授のところの学生が研究を行っているとのことで、函館の人口集積地区(五稜郭・美原等)からDMVを走らせ、五稜郭駅や桔梗駅あたりから在来線を走らせて新函館へ向かうというもの。課題は車両開発コストと、車両の大きさ、つまり現在のJR北海道のDMVはマイクロバスがベースになっていることもあって、乗車可能人数が少ないものだから、果たして大型路線バスサイズのDMVが実用化できるのかどうか、あるいは運行システムをどうするか、運行事業者はJRなのか民間バス事業者なのか、いろいろあり。
(加筆ここまで)


(案6)現実的には、在来線の改良と快速列車の運行でしょ。

→→→注文をつけるとすれば、アクセス列車の乗車時間は20分以内を目指してほしいし、七飯とか途中駅に全部止めるくらいの地元密着性があってもいいのかなと。それと、乗り換えの手間が最小限であること。つまりそれは、九州新幹線新八代駅のように「同一ホーム乗り換え」を実現させるのかどうかという点。それともうひとつ課題は「新幹線」「函館方向」「札幌方向」いずれの接続もスムーズにするためのダイヤ調整が難しいと言われていることでしょうね。
(しかも札幌方向は、峠越えの急な登りですからねぇ。むかし客車列車だった時代はスイッチバックしてたくらいですし)


(案7)道路が整備されてるし、ほとんどみんな車とかバスを使うんじゃないか、という話。

→→→地元民にはいいかもしれませんが、外から函館にやってきた方々には優しくない。シャトルバスを走らせようという話もあるんですが、先に開通した東北新幹線八戸駅では、鳴り物入りでスタートした駅と中心部を結ぶ「新幹線シャトルバス」が、利用客が定着せず、わずか1年半で廃止されたという事実もあるんです。


いやはや、素人のなかでもいろんな意見があるもんです。
函館駅~新函館駅の需要予測も大きな参考材料になるでしょうけど、現在年間約200万人が利用する函館空港にしても、アクセス方法がシャトルバス(20~30分間隔)・路線バス(30~1時間間隔)・タクシー・自家用車で事足りちゃうことを考えれば、あまり大風呂敷も敷けないなあと思われます。
まあ、そう遠くないうちに、それぞれの案についてどれが合理的で利便性が高いのか、ぼくらは仕事を通じて総意形成を図っていくことになるのでありましょう。


そこまでやってみたところで、何を待望しても最終的には、直接受益者のJRが決断することになるわけですから。そこはせめて、利用者の負担が一番軽い方法を選んでほしいなと切に願っております。

たぶん追記が出ますが、今日はここまで(^_^)

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